風が吹いた
あの山頂から冬が来た

ぼくの体の隅々で
冷たさを受け止める

春までどれくらいの時間だろうか
風に尋ねる

「春はまだかね?」

「当分、連れてこれないね。」

「冬はもうたくさんだ。今後は、春だけ連れてきておくれ。」

「それは無理だ。春は冬から生まれてくる。」

…前の冬も同じ話をしただろうか
辺りを見渡すと、やっぱり冬が来ていた

風が吹いた
あの日と同じ風だった